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テスカトリポカ Tezcatlipoca

【テスカトリポカ Tezcatlipoca 煙立つ鏡】
闇の神、軍神。底知れぬ闇への畏れを身にまとう高位の全知全能の神にして、下ネタ風味の悪事もやらかすトリックスター。
戦士、呪術師、泥棒、奴隷の守護神。
さまざまな化身を持つが、美青年であるらしい。
アステカのテスカトリポカの祭りとして、捕虜の美青年が一年間テスカトリポカ神の化身としてふるまい、贅沢三昧した後、生け贄になる「トシュカトルの祭り」がある。
(詳しくどうぞ→ウィキペディア

そういえば、ウィキペディアに、『ボルジア絵文書』(p.17)のテスカ様がのっていて、ゴテゴテしたお姿でかなり格好いいですが、あの絵は「日をあらわす20の絵文字」がお体にペタペタと貼りつけて描かれている絵なので、あんな風にメカっぽくなっています(『ボルジア絵文書』の他のページのテスカさまは、もう少しシンプル(?)かなあ…)。
デフォルトテスカ様
鏡を見るテスカ様白黒彩度あげ
王、戦士、平民、奴隷にいたるまで、幸運と不運を好き放題ふりまく。
世界を創造してはぶっ壊す、スケールの大きい神様である一方で、その気まぐれは、人々の運命にも直接ふりかかります。
テスカさまあちこち
下は、フィレンツェ絵文書に登場する、運命の神テスカトリポカ神の描写(日本語の文章は要約です)。
我らはテスカトリポカ様の手のひらの上で回り、神を笑わせるのだ…。

テスカトリポカ様はアステカの最高神で、王権の象徴。
王は即位のさいテスカ様が座る「背もたれ」になることを誓った。
……と、2007-08年のインカ・マヤ・アステカ展の図録にありました。
性格こそジャイアンですが、本当に、エライ神様なのだテスカ様。
ヘマをした王には、おしおきをします。
後世、ケツァルコアトル=善神、テスカ様=悪神のイメージに当てはめられて、邪神イメージがついた気がしますが、当時は歴とした最高神で、広く信仰を集めておられました。
背もたれ
罪を食べ浄化する女神トラソルテオトルといっしょに、人間のざんげを聞くテスカトリポカ様。
「ざんげ!ざんげ!」……もし、お許しにならなかった場合は、テスカ様が手でバツの仕草をされ、そのとたん、上からバケツの水が降ってくるとかこないとか(←元ネタをご存知ない方は「ひょうきん懺悔室」でご検索ください) 。
ざんげ!ざんげ!
ワシの戦士と並ぶ、アステカのエリート戦士・ジャガーの戦士は、テスカ様に仕える戦士。
夜行性で恐ろしいジャガーは、闇の神にして軍神テスカ様を象徴する動物。
ジャガー戦士
もちろん好きな食べ物はイケニエです。
イケニエテスカさま
黒曜石の鏡はテスカ様のシンボル。
大地の怪物との戦いで失った片足の先に、煙を吐く黒曜石の鏡をつけておられます。
その鏡に、この世のあらゆる出来事を映し出すこともできるという。
立ち姿テスカ様
煙立つ鏡の鏡
スカンクの悪臭は「テスカトリポカの放屁」と呼ばれる。テスカ様の化身であるスカンクが家に現れたり、またはスカンクが家で子供を産んだりすると(化身はメスなのだろうか…)、家の主は死ぬという。全知全能の最高神ゆえ、オナラも最凶だ!!(約翰さまより教えていただいた話です。『フィレンツェ絵文書』第5書が元なんだとか)
ちなみに、スカンクのあの匂いの元は、ガス状のおならでなくて、尻のあたりから出す分泌液で、液体らしい。
スカンクはテスカ様の放屁
目に見えず、触れる事もできぬ。影のごとき、風のごとき、夜のごとき神。
風の如く夜の如く
【テスカトリポカ様の誕生】
芝崎みゆきさんの『古代マヤ・アステカ不可思議大全』で、テスカトリポカ様が「雲から生まれたとか、天からくもの巣に乗っておりてきたといわれる」とあったので、イメージ図。
くもの巣から
【テスカ様と四柱の嫁】
テスカ様一家(と言うと、マフィアみたいだ…)。亭主のテスカ様のご帰宅と、出迎える四柱の妻。
左より、塩の女神ウィシュトシワトル、花の女神ショチケツァル、幼いトウモロコシの女神シロネン、水と大地の女神アトラトナン。
亭主の帰宅風景
ハーレム…もとい、家族団らんの図。
テスカさまと嫁
ショチケツァル2013
シロネン2013
ウィシュトシワトル2013
アトラトナン2013

【ヨワリ・エエカトル Yohualli Èecatl 夜風】
夜風の神ヨワリ・エエカトル(=テスカトリポカ様の化身)&風の神エヘカトル(=ケツァルコアトルの化身)。
描いていて、キュアブラック&キュアホワイトという単語が頭をかすめた…(平成世代に石を投げられそうだな…)。
風二神

【チャルチウトトリン Chalchiuhtotolin 美しい七面鳥】
テスカ様の化身のひとつ、疫病の神チャルチウトトリン。
ちなみにテスカ様は七面鳥のコスプレをするのがお好きだそうです。
チャルチウトトリン改

【テペヨロトル Tepeyollotl 山の心臓】
テスカ様の化身のひとつ、テペヨロトル。地震、山彦、ジャガーの神。
どう見ても着ぐるみのテスカ様。
テペヨロトル

【イツトリ Itzli,Itztli】
テスカトリポカ様の化身のひとつ、生け贄の儀式に使う黒曜石のナイフの神。ヴァチカヌスB絵文書を参考。
どう見てもかぶりもののテスカ様。
イツトリ

【ヨワルテポストリ "the night axe" ioaltepuztli/yooaltepuztli/yohualtepoztli/youaltepuztli, hacha nocturna 夜の斧】
テスカトリポカ様の化身のひとつ、ヨワルテポストリ(約翰様、調べて下さり感謝です!)。ナイトアックス。夜、ヨワルテポストリと遭遇し、その胸に手をつっこんで心臓をつかんだり、瀉血用のトゲを奪い取ることができる勇者は、あらゆる幸運を得ることができる(※)。しかし、臆病者には病や死などの悲惨な運命が待ち構える。まさに、神様とケンカだ!! テスカ様はこの恐ろしい姿をとって、人間をもてあそぶ。
ヨワルテポストリ
(※)約翰様によると、「フィレンツェ絵文書」でのヨワルテポストリに遭遇したさいの、くわしい対処法はこんな感じだそうです。
❤️心臓をつかむ→瀉血用のトゲを奪う(3、4本もらうまで離さないのがベスト)→幸運。
❤️心臓をつかむ→心臓を切りとる→その後、運試し。包んで埋め、翌朝取り出し、白い羽根かトゲになっていれば幸運、炭の欠片かボロ布ならば不幸がもたらされる。

そのほかの、道で遭遇するテスカ様の化身。なんで、全知全能の神がこんなものに化身を…というのが、テスカ様の魅力です(残念ながら、普通の格好いい姿でさまよったりは、なさらないらしい)。
◆コヨーテ……テスカ様が化身したコヨーテが、道行く者を阻む。これは凶兆で、泥棒などの有害なものに遭遇するという。
死体のつつみ……火葬のために包まれた姿の死体が、うめきながら現れる。勇気ある者は捕まえられるが、手の中には一握りの草か土しか残らない。
◆遺灰の包み……捕まえることのできた勇気ある者は、ヨワルテポストリの時と同様に、瀉血用のトゲが手に入る。
◆大男……こちらも、捕まえることのできた勇気ある者は、ヨワルテポストリの時と同様に、瀉血用のトゲが手に入るらしい。

【オマカトル Omacatl 二本の葦】
テスカトリポカ様の化身といわれる、宴の神。宴の前に祭らないと、宴の料理の中に毛を入れるという天罰をくだす。
オマカトル

【イツトラコリウキ Itztlacoliuhqui, Itzlacoliuhque 曲がった黒曜石のナイフ】
寒冷、霜の神。ケツァルコアトルの化身である金星の神トラウィスカルパンテクトリが変化したものなのに、なぜかテスカ様の化身といわれる。黒曜石の蝶イツパパロトルと仲良しらしい。化身なのに、別にガールフレンドがいるらしいぞ。
イツラコリウキ夫妻
イツラコリウキ2013

【テスカトリポカ イシュキミリ Tezcatlipoca Ixquimilli】
ボルジア絵文書(PLATE12)に出てきた、「葦」の日の神、Tezcatlipoca-Ixquimilli (The Smoking Mirror with Bandaged Eyes) ……包帯を目にまいているテスカトリポカ様らしい。どんな神様なのかさっぱりわかりませんが、約翰さま情報だと、犠牲と快楽に関わる神らしく、イツトラコリウキと習合されることもある、とのことです。
テスカトリポカイシュキミリ

なんでもお見通し。
お見通しなテスカトリポカ

【当サイトのテスカ様関連記事】(文字にリンクあり)

「アステカ神話の物語イラスト」
テスカ様の神話でのご活躍をどうぞ。ケツァルコアトルとのケンカで何度も世界をぶっこわしたり、雨の神の妻を略奪したり、全裸で乙女を一目ぼれさせたり…、まさにやりたい放題です。

「トシュカトルの祭り」
アステカの祭り、トシュカトルの祭り。
テスカトリポカ神の化身として選ばれた捕虜の若者(美青年)は、一年間、神の化身として、この世の快楽を味わい尽くした後、生け贄となる。すべてを手に入れた完全なる美青年は、祭りの日に死すべき定め。テスカ様萌え論文の紹介もあり。

「着せ替え人形テスカトリポカ様」
四つの絵文書でのテスカ様のファッションを紹介です。見比べると楽しい。

「アステカ漫画 煙立つ鏡」
アステカ帝国を舞台に、テスカ様がでてくる創作ストーリー漫画。2000年ごろに製作した古い漫画(20世紀のころに描いたわけですね…)。他にも、四コマ漫画のカテゴリーや、ネタ系イラストカテゴリーにも漫画があります。

「アステカの戦士」
アステカ戦士の階級を紹介する記事ですが、下の方に、捕虜をつかまえたのに逃げられた戦士や、病気で死にそうになっている人の、テスカ様をののしる言葉を紹介しています。
人間の運命をもてあぞぶテスカ様ですが、そこは気丈なアステカ人、エライ神様だろうが遠慮なく文句を言っていたようです。

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