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トシュカトルの祭り

アステカの祭り、トシュカトルの祭り。
テスカトリポカ神の化身として選ばれた捕虜の若者(美青年)は、一年間、神の化身として、この世の快楽を味わい尽くした後、生け贄となる。
すべてを手に入れた完全なる美青年は、祭りの日に死すべき定め。

トシュカトルの祭りについて、ネット上で読める論文を、教えていただきました。
ネット上で、論文が読める時代なのか…。
どちらもすばらしかったです。
論文を読んで、こうも煩悩が炸裂するとは思わなかった…。

『富山大学人文学部紀要』第38号収録の「北米インディアンの生活(6) ---23部族の伝承と習慣--- 」(エルシー・クルーズ・パーソンズ編著、神徳昭甫訳)
『ラテンアメリカ・カリブ研究第7号』の「ネモンテミとテスカトリポカ」(岩崎賢)

岩崎賢氏の論文では、テスカトリポカ様ファンには、こちらもオススメ。
「花は笑う : アステカ人の宗教における創造のシンボリズム」
われわれ人間は恐ろしいテスカ様の手のひらで踊り、テスカ様を笑わせるのだ…。

トシュカトル1
トシュカトル2
トシュカトル3

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トシュカトルオマケ

【アステカの生贄について】

生贄といえば、アステカではピラミッドのうえで、石の上に寝かせて体をそらせて心臓を取り出す方法が有名ですが(他の方法もあります)、心臓の真上を切るのでなくて、心臓に近い、体の中央、肋骨のすぐ下を切って手を突っ込んで取り出すと早いと20秒くらい、みたいな再現実験動画を教えていただいたので、貼っておきます。

生贄は、心臓を取り出されたあと、首を切られて、体はピラミッドの階段から転げ落とされます。
アステカ族(メシカ族)は、ピラミッドをコアテペク山(部族神ウィツィロポチトリが、誕生のさい、母の命を狙う姉コヨルシャウキを返り討ちにした山)に見立てて、神話のシーンをなぞらえている…とも言われますが(ピラミッド下に体がバラバラになったコヨルシャウキのレリーフがあったという)、メシカ族以外の神殿では、生贄をした場合は転がさなかったんだろうか…?と考えますと、もしかしたら、転がす風習はあちこちにあって、メシカ族ではそれに特別な意味をつけた、という可能性もあったりするのかも(すみません、適当なことを言ってます)。
着られた首は、頭蓋骨台(ツォンパントリ tzompantli)に飾られます。
生贄の体は、神聖なものとして、食べられます。ウィキペディアのアステカ料理の最後の項目にある、アレです(これも「料理」に入るのか…)。
アステカの生贄

アステカの18の月と、主なお祭り】

なお、アステカでは一年が18の月(ひと月が20日)と不吉な5日間ネモンテミで構成され、それぞれの月でお祭りが行われたそうです。
サアグンの『フィレンツェ絵文書』第2巻や、ドゥランの『ヌエバ・エスパーニャ誌』などに詳しいそうです(日本語の本だと、『アステカ文明の謎』(高山智博著、講談社現代新書、1979)、『アステカ王国の生贄の祭祀 血・花・笑・戦』(岩崎賢著、刀水書房、2015)などで儀式の解説が読めます。また、『神々とのたたかい1』(サアグン著、岩波書店、1992、一応原典ですが、載っているのは第2書の序文のみで、詳しくは本論で、と書いてあるのに本論が訳されてない状態)、『神々とのたたかい2』(ドゥラン著、岩波書店、1995、一応原典ですが、これまた内容が、はしょられてる状態))。
上の本を参考に、ざっと書いてみます(現代人の感覚だと、続けて読むと、けっこうキツイです)。

【第1月】アトルカワロ(水が止まる)2月14日~
雨の神トラロクの雨ごいの祭り。山々の頂上や湖上で、子供たちが生贄になる。子供たちは、青い色に体を塗られた。特に、頭につむじが二つある子供が選ばれるという。子供が泣くと、雨がたくさん降ると言われる。
アトルカワロ
また、捕虜となった敵の戦士が、刃のついていない武器で完全武装のアステカ戦士と戦う、剣闘士儀礼も行われる。
トラウィコレ
【第2月】トラカシペワリストリ(人の皮はぎ)3月6日~
春分のころ、春の神シペ・トテックの祭り。捕虜の心臓を取り出した後に、捕虜の生皮をはがし、シペ・トテック神の姿のように、生皮を服として20日間着る。模擬戦闘を行い、期間が終わると皮をシペ・トテック神の神殿に納める。先月と同様に、剣闘士儀礼も行われる。
トラカシペワリストリ
【第3月】トソストントリ(小徹夜)3月26日~
第1月のように、雨の神トラロクに、子供の生贄を捧げる。
【第4月】ウェイ・トソストリ(大徹夜)4月15日~
トウモロコシの神シンテオトルとトウモロコシの女神チコメコアトルの祭り。
【第5月】トシュカトル(乾燥)5月5日~
テスカトリポカの祭り。捕虜の中から選ばれたすぐれた若者が、一年間テスカトリポカ神の化身として過ごし、生贄となる。まず若者は、音楽や立ち振る舞いなどの教育を受ける。こうして神の化身となった若者は、テスカトリポカの衣装を着て、8人の従者を従えて、好きなように街を歩き、人々の崇拝を受ける。祭りが近づくと、女神の化身である四人の娘たちと結婚する。最後に若者は、自分の愛用した笛を割りながら神殿の階段をのぼり、生贄となる。
【第6月】エツァルクワリストリ (エツァリ(トウモロコシと豆の煮込み)を食す)5月23日~
夏至のころ、雨の神トラロクの祭り。雨季の始まり。トラロクの神官たちが、神殿でマットや椅子にする葦を採取し、水の中に入って身を清め、鳥の鳴き声やしぐさを真似る。また、人々はエツァリという料理を食べ、客にふるまう。真夜中から明け方まで、人々はにぎやかに踊り、家々のエツァリをもらい歩く。
エツァルクアリストリ
【第7月】テクイルウィトントリ(君主の小祭)6月14日~
塩の女神ウィシュトシワトルの祭り。若い女性が女神の化身として祭りの主役となり、塩づくり集団の女性たちと踊る。祭りのクライマックスには、化身の女性と捕虜の男たちが生贄となる。
テクイルウィトントリ
【第8月】ウェイ・テクイルウィトル(君主の大祭)7月4日~
若いトウモロコシの女神シロネンの祭り。若い女性が女神の化身として祭りの主役となり、生贄となる。
【第9月】トラショチマコ(花の奉納)7月24日~
トウモロコシが実り始める。アステカの部族神ウィツィロポチトリの像を花で飾る。
【第10月】ショコトル・ウェツィ(果実が落ちる)8月13日~
火の神シウテクトリの祭り。約40メートルの大木の枝を落とし、飾りつけ、シウテクトリ神殿の前に立てる。
捕虜たちの顔に香草の粉を塗って気を失わせた後、手足を縛り、火の中に投じ、その後、まだ動く心臓を取り出す。
戦士たちは、競って大木の柱によじ登り、てっぺんの鳥のかざりを取る。その後、柱は倒される。
ショコトルウェツィ
【第11月】オチパニストリ(清掃)9月2日~
トウモロコシの収穫期の始まり。神々の母とよばれる女神トシの祭り。町の清掃。女神トシの化身役の女性が生贄になる。
【第12月】テオトレコ(神々の到来)9月22日~
あらゆる神々のための祭り。神々がテノチティトランの都に到着し、一番のりは、永遠に若い神トラマツィンカトル、すなわち、テスカトリポカであるという。人々は到着した神々を出迎え祝う。
【第13月】テペイルウィトル(山の祭り)10月12日~
雨の神トラロクが住む山々のための祭り。人々はさまざまな像をつくり祭祀をする。四人の女と一人の男が、ゴムのついた紙で飾られ、神の化身として生贄となる。
テペイルウィトル
絵はボルボニクス絵文書を参考にしました(31ページのあたり)。
【第14月】ケチョリ(ベニヘラサギ)11月1日~
狩りの神ミシュコアトルの祭り。武器が作られる。死んだ戦士の墓参り。鹿狩りをする。
【第15月】パンケツァリストリ(旗を立てる)11月21日~
冬至のころ。戦の神ウィツィロポチトリの誕生を祝う大きな祭り。
【第16月】アテモストリ(水が落ちる)12月11日~
雨の神トラロクの祭り。12月頃は乾季だが、この時期は雷雨が起こるという。
【第17月】ティティトル(縮み)12月31日~
老女神イラマテクトリの祭り。女性が女神の化身となり、生贄になる。
【第18月】イスカリ(成長)1月20日~
火の神シウテクトリの祭り。火に神々の捧げものを投じる。4年に一度、シウテクトリの化身が生贄になる。
【ネモンテミ】2月9日~
暦の最後の不吉な5日間。儀礼は行われない。
他の日と違い、守護となる神々がいない日なので、この日に生まれた者は不幸になるという。

【特別な祭り】新しい火の祭り トシウモルピリア(新しい52年周期の始まり) →英語版ウィキペディアNew Fire ceremony
52年に一度、2つのアステカの暦(365日の太陽暦と、260日の祭祀暦(トナルポワリ))が、一回りするときの、特別な祭り。アステカでは、この52年周期を、世紀とみなし、時代の区切りとする(シウモルピリとよぶ)。1454年(第5代モクテスマ1世のころ)と、1506年(第9代モクテスマ2世のころ)の、「2の葦」の年、第15月に行われたという。
太陽の滅亡は、この時期にやってくると言われていたので、人々は怖がった。夜、すべての火が消され、あらゆる日用品が捨てられる。神官が星の運行を見て、世界は滅亡しない、と判断したら、山の頂上の神殿で、生贄の上で最初の新しい火がおこされる(その後、生贄の心臓を取り出し、心臓は新しい火の中に投じられる)。神官が巨大なたいまつを持ち、火はテノチティトランの大神殿を経由して、各地に渡る。
下のイラストは、ボルボニクス絵文書(The Codex Borbonicus)が元です。→FAMSIで見る
新しい火の祭り

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