忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アステカ関連本~入門書

こちらの記事では、アステカを扱う本などをご紹介いたします。
入門書をご紹介します。

■■■■■■■■■

【入門書】
アステカ入門のための、おすすめ本を、ひとつだけあげるとすると、こちらの本です。
ヘタに図書館で初版が古い本を手にとってしまうと、古い説が載っていますので、2010年出版の、イラスト満載のこちらをまず読まれて、こちらの本にのっている参考文献一覧の本を読んでいかれるのがいいかも…?

『古代マヤ・アステカ不可思議大全』芝崎みゆき、草思社、2010

マヤ・アステカ不可思議大全
1997年~2000年ごろ、私がアステカ漫画「煙立つ鏡」を描くにあたり、日本語で読める本は探しに探したのですが、出版数が少なく、かつ、初版が古く、結局、「専門書となると英語が読めないとどうしようもない」というのが結論でした…。
それから丸10年アステカから離れていて、2011年9月より再びイラストを描くようになったのですが、その前に2010年に出た芝崎みゆきさんの本を読みまして、それまで読んできた本の内容が色々と時代遅れになっていると知って、かなり衝撃を受けました。
一番衝撃的だったのがケツァルコアトルでしょうか…。
「ケツァルコアトルは、生け贄に反対した善神で、テスカトリポカ様が悪の神で、善と悪とで対決している」……というイメージだと思ったのに、どうも、ケツァルコアトルは元々は普通に「生け贄いただきます」の神だったらしい…。確かに、神話上で生け贄したりしてますしね…。
ケツァルコアトルがどんどん美化されていく一方で、アステカの王権まで象徴した最高神テスカトリポカ様は、すっかり邪神のイメージになってしまわれたようです。
あと、「アステカを征服にきたスペイン人を、アステカ人はケツァルコアトルの再来と勘違いした」という有名な話すら、今はもう、あやしいそうで…。
歳月が過ぎるにつれ、また色々と変わっていきそうです。

【神話関係】
神話関係の本は、アステカ神話物語イラスト2の記事に、紹介リンクがありますので、そちらをご覧ください。

【歴史関係】
『図説アステカ文明』(リチャード・F.タウンゼント、創元社、2004)
厚めの概説書。アステカの成立と滅亡の歴史(それぞれの王の治世など)、信仰と宗教、アステカ人の人生のサイクル(誕生から結婚)、様々な身分の紹介(農業、職人、商人、戦士による戦争のようすや、王の即位など)。
アステカ文明の謎 いけにえの祭り』(高山智博、講談社現代新書、1979)
新書の概説書。アステカの歴史(発展と滅亡)、アステカ人の人生サイクル、アステカの一年の祭りをサアグンの『ヌエバ・エスパーニャ全史』(フィレンツェ絵文書、Florentine Codex)第2書をベースに、くわしく扱う。

【アステカの詩】
古代のメキシコ人』(ミレル・レオン・ポルティーヤ、早稲田大学出版部、1985)
アステカの詩や歌から、アステカの歴史や精神を解説する古典的な名著であるらしい。詩がたくさん楽しめます。アステカの歴代王をささえた副王トラカエレルがかっこいい。残念ながら絶版で、県内の図書館にもなかったので、アマゾンで古本を入手したら、さだまさしの顔写真とコメントつきの帯がついた本でうれしかったです(翻訳者の友人らしい)。
アステカのうた』(野中雅代、青土社、1996)
アステカの詩の日本語訳がのった本。詩人王として名高いテスココ王ネサワルコヨトルの詩がまとまって読めて幸せ。

【アステカ滅亡関係】
アステカ帝国滅亡記』(法政大学出版局、1994)
フィレンツェ絵文書の第12書、トラテロルコ編年史、オーバンの絵文書、ラミレスの絵文書、トラスカラ史、ヌエバ・エスパーニャのインディアス史および大陸付属諸島史(ディエゴ・ドゥラン)。先住民視点の征服の記録の数々。
なんですが…。先住民と言っても、フィレンツェ絵文書などは、アステカの支配階級のメシカ族の都市テノチティトランの視点ではなくて、かつてテノチティトランに征服されたトラテロルコの視点なので、「テノチティトランの戦士たちは腰抜けで、我々トラテロルコの戦士たちはよく戦った」という先住民どうしの確執からの脚色がすごいし、トラスカラ史のトラスカラは、スペイン側について戦った部族。正直、スペイン人征服者のカスティリョの「メキシコ征服記」のほうが、「こんな強い相手に我々は勝った」というアピールのせいか、アステカ戦士が強そうだったな…。スペイン側の記録も、敗者である先住民側の記録も、やはりそれぞれの考えが入るようです。

コルテス報告書簡』(コルテス、法政大学出版局、2015)
アステカを征服したスペイン征服者コルテスが、王に送った書簡。征服の資料。
「報告書簡」、岩波書店の大航海時代叢書の『征服者と新世界』に収録されていましたが、「コルテス報告書簡』のタイトルで法政大学出版局から出ました。大航海時代叢書のに比べて、滅亡後の書簡も収録されてます。

メキシコ征服記1ー3巻』(ベルナール・ディアース・デル・カスティーリョ、岩波書店)
コルテスの征服に兵士として参加したカスティーリョの回想記。以下、読んだ感想メモです(ちなみに絶版で、県内の図書館にもなかったので、アマゾンで古本で入手です)。
【1巻の感想】
アステカを征服したコルテスに付き従った兵士の手記。知らない土地で、先住民とバトルになったり、ものすごく苦労したようすが伝わる。
行く先々で、なぜか必ずとっていいほど、イケニエの光景を目にして、キリストの教えをとき、生贄をして人肉を食うのはダメ、略奪はダメ、男色はダメ、偶像を拝むのはダメというのを繰り返す。本当に繰り返す。また、そこでの先住民が、アステカ王に虐げられている、とアステカの文句をいう。
アステカ王モクテスマ2世の描写は詳しくて面白かった。けど、そこでも、男色とは無縁だったとかなんでわざわざ書くのだろう。王の暮らしの描写では、王が、一度着た上衣や肌着は4日後でないと着なかった、というのは、けっこう普通な気がする(参考、コルテスの報告書簡、212ページ、「彼は毎回四回、四種類の異なった着物に着替え、どれも新しいものばかりで、同じ着物を二度身に着けることはありませんでした」)。
スペイン人によるチョルーラでの虐殺は、スペイン人に味方した先住民であるトラスカラ族がチョルーラで略奪して住民を捕虜にしたのを我々スペイン人は止めた、みたいな描写つきだった。そしてチョルーラでも生贄になる人間が囚われていてそれを解放したとの記述もつける(のちのテノチティトランの攻防戦でも、地元の反アステカの先住民たちが女子供を虐殺し、我々スペイン人はとめたかった、みたいなのがなかったっけ…。やはり外道なことをしてはならないという意識はあって、自己弁護や言い訳しつつ、のようです)。
しかし、コルテスがすごいしたたかだ…。引き返したいという部下を言いくるめる手腕もすごいし、王都テノチティトランでの立ち回りもすごい。モクテスマ2世を宮殿で軟禁し、自分は自由にしてやりたいが部下が許さないんだといって、「貴公は大切なお方だ」といって王を抱きしめる。うわーゲスい。兵士のカスティーリョの視点から見るコルテス像が、描写に遠慮がなくて、新鮮です。
モクテスマ王は、スペイン人による軟禁の身でありながら、警護にあたるスペイン人は彼を励ましたといい、スペイン人とうちとける描写もあり、コルテスとゲームして、部下のアルバラードがずるをしてコルテスの点を多くつけて、王もスペイン人もみんなで笑う。王は気前よく宝物を振舞う。人質なのに。
でも、モクテスマ王の警護にあたったスペイン兵の一人が、人前で「ある種の音」を平気で出すような男で、その音を聞いたモクテスマ王が無礼とたしなめる話はなんだかほのぼのです。書いているカスティリョは、もしかしたら、モクテスマ王のことけっこう好きなんじゃなかろうか。通訳のマリーナにも好意的だし。
あと、数百人でアステカの都のテノチティトランに乗り込んだ俺たちすごい、その後の立ち回りもすごい、という自慢もばっちりだった。そして、モクテスマ王が軟禁状態のまま、2巻に続きます。2巻のラストで最後の王クアウテモクの降伏、3巻は征服後の話らしい。
【2巻の感想】
コルテスは、黄金をもとめ、金脈を探させる。コルテスによって前に両足切断の刑を受けた男も、金鉱探索のメンバーに入れられ(足は大丈夫なのか)、金を入手。コルテスが、相手を懐柔するためにしたらしい。
国境にいるアステカ兵士がまわりの村で狼藉をして先住民らが迷惑するという話も忘れずに入る。
しかし集めていった金が減っていく。5分の1をスペイン王に、5分の1をコルテスに、残りを分けるはずが、兵士たちに渡る頃には少額に。コルテスは不満タラタラの兵士らを懐柔するのがうまい。こっそり金を与えたりする。兵士である著者も不満で、コルテスを奸智にたけた人間だと本の中でアピール。
スペイン兵の中に、太鼓の皮にトランプの絵を描くものがいて、トランプが作られる。兵士たちの間でトランプでの賭け事が行われ、熱中したようだ。もちろん、それぞれがアステカで手に入れた金(一介の兵士だから、そんなに多くない)をかけるのだ。
著者が、「私は戦争のために、他の国にもいったことがあるが…」と書いてすぐ、(著者はインディアス以外の土地で戦った経験はない)というツッコミの注が付いているのに噴いた。うん、だから、一次資料を研究がされていない状態で読んで、うのみにするのはダメなんだろうな…。
コルテスの留守中にコルテスの部下がアステカで虐殺をし、怒ったアステカ戦士たちが蜂起。モクテスマ王はコルテスに頼まれ戦士たちをなだめようとする。戦士たちは攻撃をいったん止め、王の話を聞く。そして、戦士たちは涙ながらに、モクテスマ王の弟を新しい王にしたと告げ、陛下の事は神に祈っている、この場はお許しくださいという。戦士たちは、ちゃんと王の話を聞いているし、モクテスマ王に涙ながらにこたえるアステカ人たちの言葉も、王への敬意があるように思う。
攻撃が再開され、スペイン兵がモクテスマ王を盾で守るのが遅れたために、モクテスマ王は、石と矢に当たり、その傷が元で死んだ、という。コルテスやスペイン兵たちみんな、涙ながらに死を悼んだという。
モクテスマは死後、遺体はアステカ側に渡された。アステカ戦士は、モクテスマ王の死体をみて、「陛下のご無念、晴らしてくれるわ!」といきり立ったとある。『フィレンツェ絵文書』第12書のように、火葬されているモクテスマ王に向かって、「王は大悪党だった」とののしるアステカ人など出てこない。先住民側の視点の記録である『フィレンツェ絵文書』の征服の描写が、アステカ王が治めるテノチティトランに複雑な思いを抱くトラテロルコ側の記録であるために、スペイン側の記録にはないのに、先住民側の記録でモクテスマ王を貶めるシーンが入るというのは複雑です。
その後、いわゆる「悲しき夜」。アステカ人の猛攻撃が始まり、コルテスたちは必死で退却し、多くが犠牲になる。アステカ戦士による、勇ましいののしりの言葉や戦いのすごさが描写され、読みごたえがある。スペイン人から奪った剣を槍に着けて戦うアステカ戦士がいたそうで、確かにいい武器だろう。
アステカから逃げる際に、欲張ってたくさん金をもっていたせいで、スペイン兵らが、湖に落ちても泳げずにおぼれ死んだ話は有名ですが、兵士であった著者にいわせると、我々コルテス側の兵士でなくて、新しく加わったナルバーエス側の兵士らだった、んだそうだ。本当かなあ。
アステカ人がコルテスらを攻撃して追い出した「悲しき夜」のあと、味方の先住民がいるトラスカラで大勢を立て直すコルテス。アステカ人の間で天然痘が蔓延して人口が激減。テノチティトランの包囲戦のあと、アステカ最後の王クアウテモクの降伏となる。
コルテスはさんざん、アステカ最後の王クアウテモックに降伏を呼びかける。すさまじい攻防戦が繰り広げられ、スペイン人が大砲や銃で一方的に楽に勝った戦いなどではなかったもよう(著者が苦労しましたアピール)。都の食料が不足したさい、降伏するか否か、クアウテモクは臣下たちに意見を聞く。
臣下たちは王に言う。スペイン人に贈り物をしたモクテスマ王はどうなったか。他の方々はどうなったか。近隣の民は奴隷とされ、焼印を押された。我らを奴隷としてさいなむ者の手に落ちるより、一同、この戦で戦って果てるは本望と。クアウテモク王は、最後まで戦い抜くことを決定する。
仲間のスペイン兵がアステカ人により捕虜となり、ピラミッドで仲間が踊りを踊らされて、生贄として殺され、心臓を取り出され、手足を食われるのを目にして、いつか俺もそうなるかもと、戦いの前に小便を一、二度もらす恐怖に襲われた(戦いが始まると平気)と素直に書くカスティリョ。
そういえば、コルテスの配下の隊長たちの中では、ゴンサーロ・デ・サンドバールが、勇敢で、ピンチのときなどに、みんながんばれと部下をよく励ましていて、味方視点でみると、いいやつっぽかったです。アステカ征服戦が1519-1521で、生まれが1497、没が1528だから、30歳ほどで死んでしまうのか…。
また、アステカ滅亡、先住民の記録は当時起こった不吉な現象や予言などを書いていて、神様などの不思議なものを信じてたんだなあ…と思いましたが、一方のスペイン人は現代人に近い考えかと思いきや、カスティリョの本に聖母や聖人の目撃談とか載ってて神様大好きだし、あまり大差なかったりするんだろうか…などと思いました。

拍手

PR

Copyright © アステカ漫画 : All rights reserved

「アステカ漫画」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]