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【ケツァルコアトル Quetzalcóatl 羽毛ある蛇】
古くから信仰されていた、文化神、農耕神。
風の神エヘカトル、金星神(破壊神)トラウィスカルパンテクトリなどの化身も持つ。
テスカトリポカ神とは、神話の上でライバルどうし。
天と地をつなぐ「鳥&蛇」の姿。夜と昼をつなぐ「金星」の化身。調和をもたらす神らしい。
(詳しくどうぞ→ウィキペディア)
ケツァルコアトル(羽毛の蛇)のケツァルは、「ケツァール」という鳥の、美しく貴重な羽根から来ています。
ケツァルコアトルは怪力の神。
岩に手を当てたら岩が手の形に凹み、岩を投げたら森が平地になるという。
【ケツァルコアトルのイメージの変遷について】
以前には、ケツァルコアトルは「外見が白肌にヒゲ」という話がありましたが、それはスペイン人による征服後に出た話らしい、というのが近年の説らしい…。
また、以前には、「生け贄に反対する善神」というイメージも強かったのですが、近年では、生け贄オーケーの神様だということになっていて、普通に生贄がささげられたらしい。確かに、第五の太陽が生まれたとき、神々の胸を切り開いて生け贄にしてるの、ケツァルコアトルですしね…。生贄に反対したというのは、あくまで、トルテカ時代の神官王ケツァルコアトル(後述)の伝説での話らしい。
ついでに、「アステカ滅亡時に、スペイン人征服者コルテスが、アステカ人に白き神ケツァルコアトルと間違えられた」という有名な話も、現在では、征服後に生まれた話と考えられていて、史実ではないと言われているんだそうだ。
私がアステカの絵を描き始めたのは1997年からで、気づいたら説が変わっていて、なかなか脳内でイメージの修正ができなくて困ってたのですが、時代によって神様のイメージも変っていくもののようです。
昔の絵文書をベースにして描いたケツァルコアトルの絵も載せていきます。
(くちばしやマスクをもつ姿は、風の神エヘカトルとしてのケツァルコアトルかもしれません)
2021年制作。参考:『プリメーロス・メモリアーレス』fol.261v
(約翰さまのツイート:https://x.com/JohannesC7/status/1373643035465027589)
2024年制作。参考:ボルボニクス絵文書。おとなりはテスカトリポカ神。
2024年制作。
こちらは目をさしている(?)不穏なポーズですが、絵文書の中の暦のページに登場し、当時なにかしらの意味のある表現らしい(他の神もこのようなポーズをとって登場しているようです)。
【エヘカトル Ehecatl 風】
ケツァルコアトルの化身、風の神。乾季のあとの雨季をよぶ風。
マゲイの女神・乙女マヤウェルとの悲恋のロマンスのエピソードもある神様(関連記事:アステカ神話の物語イラスト1)。
【トラウィスカルパンテクトリ Tlahuizcalpantecuhtli 曙の主】
ケツァルコアトルの化身、明けの明星の金星神。
太陽神トナティウが誕生し、神々にイケニエを求めたとき、怒って太陽に槍を投げたが、投げ返されて頭にささり、霜の神イツトラコリウキに変化したという(投げ返された槍がささった、とも、太陽の放った矢がささった、とも。関連記事:アステカ神話の物語イラスト1)。災いをもたらす破壊神といわれますが、この話だけだと、へたれだなあ…。
【神官王ケツァルコアトル】
10世紀ごろ(?)、トルテカの都トゥーラ(トラン)を治めたという、伝説の神官王ケツァルコアトル(セ・アカトル・トピルツィン・ケツァルコアトル)。
ケツァルコアトル神本人でなくて、ケツァルコアトルという名前の人物が伝説化して、神様のケツァルコアトルと混同され、その結果、「テスカトリポカの悪だくみによってケツァルコアトルがトゥーラから追放される」という神話のエピソードが今に残ったのだそうです(関連記事:アステカ神話物語イラスト2)。
ちなみに当時、「ケツァルコアトル」は一種の称号や名前であって、「ケツァルコアトル」と名乗る神官や王が、セ・アカトル・トピルツィン・ケツァルコアトル王以外にも複数存在したらしい。
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